
【震災から15年】石巻まちなかの15年後の景色
2011年3月11日に発生した東日本大震災で大きな被害を受けたまちなかは、復旧・復興と共に再開発事業等が行われてきました。令和4年度には復興財源を活用したハード整備は終了し、次の復興へと歩みを進めています。
今回は、写真を通して15年の月日が流れたまちなかの景色を振り返り、新たな取り組み等をご紹介します。
JR石巻駅前
海岸から3kmほど離れているJR石巻駅にも津波は到達し、5日間も浸水しました。地盤沈降もあったため、石巻線や仙石線の復旧は段階的に行われ、2015年5月に全線再開を果たしました。
JR石巻駅周辺では、イベントなどが開催できる『石巻駅前にぎわい交流広場』が整備されたほか、都市再生整備計画によりバリアフリー化工事が進められ、誰でも公共交通機関を利用しやすい環境に整備されています。


2023年には駅前の利活用を探るための社会実験が行われました。休憩スペースや読書本の設置、キッチンカー出店など、公共交通機関の待ち時間や待ち合わせ場所として利用されました。
駅は、学生をはじめ地元住民から観光客も利用する大事なエリアです。今後の発展に注目ですね。

立町大通り
道路の両脇に約400メートルのアーケードが続いていた、立町大通り商店街。商店が多く立ち並んでいた賑わいエリアにも津波は容赦なく襲いました。店内は海水に浸り、多くの店舗が清掃と復旧に追われる日々を過ごしました。
その後、アーケードは取り壊しが決定し、2015年には全ての撤去が完了しました。商店街の象徴ともいえるアーケードはなくなってしまいましたが、歩道や街灯が新しく整備されて日中・夜間の雰囲気が明るくなり、天気の良い日には気持ちの良い風が通っています。


中央三丁目
川を遡上した波はさまざまなものを運びながらまちなかを襲っていきました。まちなかでは、車や船があらゆる場所へ流れ着いた様子が記録されています。
中央三丁目にある旧観慶丸商店も1階がほぼ浸水する被害を受けましたが、建物の倒壊は免れました。まちなかのランドマークであったことから、建物の形をそのまま残す復旧工事が行われ、2015年10月に石巻市有形文化財として指定されました。現在は、1Fが市民交流スペースとして開放され、2Fは展示スペースとして活用されています。


中央一大通り
多くの商店が立ち並んでいた中央一大通り。海水や漂流物と共にたくさんの泥も流れ込んだため、泥の掻き出し作業も必要でした。時間が経つにつれ粉塵となって舞い上がるため、ゴム手袋やマスクは必須アイテムでした。


震災後、中央一大通りでは地域住民や行政、大学、まちづくり会社など官民学が連携して復興計画づくりを進めました。道路や歩道の拡幅、商店や住民を巻き込んだイベントなども企画し、平成29年度に都市景観大賞を受賞しました。歩きやすくとても綺麗な街並みとなっています。ぜひ散策してみてください。

仲町通り
仲町通りは老舗のお店が並ぶエリアでもあります。2011年撮影の画像に映る『松栄石巻パーキング』は多くの人が利用する駐車場でした。
震災後は、かわまち交流拠点整備事業により『いしのまき元気いちば』や『かわまち交流センター』、『交通広場』、『石巻市かわまち立体駐車場』などが整備され、石巻の新たな観光拠点として賑わっています。


堤防 ーかわまちオープンパークー
震災前、堤防のなかった川沿いには船が何隻も停泊し、すぐ横をはしる道路には車が行き交っていました。川は市民にとって、とても身近な存在だったのです。
安全確保のため震災後に整備された堤防は高さ4.5mとなり、市民の生活を守る大きな盾となりました。合わせて、堤防の上はまちとかわを繋ぐものとして開かれ、今では「石巻の新しい景色」として多くの賑わいが生まれています。


堤防上では季節問わず、音楽ライブやキッチンカー出店、映画上映会などさまざまなイベントが開催されています。堤防に隣接する『いしのまき元気いちば』にはテラス席があり、川の景色を見ながら食事を楽しめる他、田代島や網地島などの離島とまちなかを結ぶ『網地島ライン』の乗り場が整備され、島民や観光客が多く利用しています。
令和4年度には、他の模範となる先進的なかわまちづくりの取り組みとして全国の中から『かわまち大賞』を受賞しました。

中瀬 ーその1ー
中瀬には、約6.5mの津波が襲いました。中瀬に建つ、現存する木造教会堂建築として日本最古の『旧石巻ハリストス正教会教会堂(市の有形文化財)』も津波に飲み込まれましたが、奇跡的に倒壊を免れました。2018年に復元工事が完了し、周辺も散策や休憩ができるよう整備されています。


中瀬 ーその2ー
古くから多くの造船所が立ち並んでいた中瀬も、大半が倒壊し津波によって流されてしまいました。中瀬とまちを繋ぐ『内海橋』も甚大な被害を受け、2020年には新たに石巻市中心部と湊地区を結ぶ『新内海橋』および、石巻市中心部と中瀬地区を結ぶ『西中瀬橋』が整備され、現在は中瀬と湊地区を結ぶ歩道橋の工事が進められています。


現在、中瀬地区では公園化事業を進めるにあたり、利活用を探る社会実験が行われています。デイキャンプや養蜂、ガーデニング、凧揚げなど、さまざまな視点から中瀬の利活用方法が提案され、賑わいが生まれています。一般利用できる日が楽しみですね。

最後に
いかがでしたか?写真を通して15年の月日が流れたまちなかの景色を振り返り、新たな取り組み等をご覧いただきました。
今も昔も、石巻でしか見ることのできない景色ーー
まちあるきをしながら、懐かしい思い出話に花を咲かせ、新しい景色や取り組みを楽しんでみてくださいね。



