災害時の強い味方!まちなかの避難サイン
2011年3月11日14時46分に東日本大震災が発生しました。宮城県石巻市では津波による大きな被害がありましたが、震災以降、安全安心なまちに向けてハード面ソフト面の両方でたくさんの整備が行われました。その1つが避難サインです。いざという時にどこへ・どのように避難をすればいいのか?まちなかに整備された避難サインをご紹介します。
石巻市ハザードマップ
災害が起きた時に、どこで、どのような被害が想定されるかを自治体ごとに示したものがハザードマップです。石巻市が作成したハザードマップを見ると、洪水や津波の時に市街地の大部分は浸水すると想定されています。津波が来るまでのわずかな時間で避難サインを正しく読み取り、避難しなければいけません。
自宅や職場、よく行く場所のハザードマップは必ず確認するようにしましょう!
避難サインとは?
避難サインとは、上のようなピクトグラムで表された図です。災害が起きた場合に、どこへ避難するべきかを示すものとして街の様々なところで見られます。石巻の街なかでは上の4つの避難サインがあります。
避難する場所を示すサインは大きく2つある!
ここからはサインについて解説していきます。避難サインには 緊急避難場所サインと避難所サインの2つあります。
緊急避難場所サイン
災害から身を守るため一時的に逃げる場所を示します。対応する災害や場所の性質によってさらに、3つに分けられます。
津波・高潮などの浸水が予想される地域内で一時的に避難ができる建物。
point 津波や高潮での利用を推奨している建物です。
津波・高潮から逃れるために一時的に避難ができる高台。
point 津波避難ビルとは異なり、高台や野外など主に屋外の場所です。
洪水・内水氾濫・土石流・崖崩れ・大規模な火災が起きた場合に一時的に避難ができる場所。
point 津波避難ビルとは異なり、高台や野外など主に屋外の場所です。
避難所サイン
災害の危険が無くなるまで一定期間滞在し、または災害により自宅へ戻れなくなった方が一時的に滞在する場所を示します。
災害により家に居住できない人が一定期間滞在できる施設。防災グッズや食べ物などの備蓄があります。
災害種別一般サインについて
標識には緊急避難場所や避難場所がどの災害の時に活用できるかを示すサインが描かれています。それぞれのサインがどのような災害を示しているのかを知っておくと、迅速な避難につながります。
災害種別避難標識について
緊急避難場所、避難所には避難所等の名称、サイン、どの災害に対応しているかが示されたサインが設置されています。
先ほどご紹介した、避難場所・避難所サインと災害種別一般サインを覚えた方は、すぐにこのサインの意味を読み解くことができます。緊急時に迅速に行動できるよう、今の内からしっかりと覚えておきましょう。
この場所の名称は『中央第二復興住宅』
『津波避難ビル』『緊急避難場所』として利用することが可能な建物です。『避難所』としては利用できないので、長期の避難所としての備蓄などはありません。
利用できる災害種別は『津波』『洪水』『内水氾濫』『土砂災害』の4種類です。大規模な火災の際は利用推奨されていません。また、『津波』『洪水』『内水氾濫』の際は屋上まで逃げることが推奨されています。
まちなかの避難場所
石巻マンガロード周辺のまちなかには、緊急避難場所と避難場所が数箇所あります。今回はその中から4箇所の緊急避難場所と避難場所を紹介します。
中央第二復興住宅
中央第二復興住宅は 7階建ての建物で、黄色の外観が目印です 。上を見上げてみると、道路側の外壁に津波・高潮の時の緊急避難場所を示す「津波避難ビル」サインがあります。
マンションの入り口付近には災害種別避難標識があります。先ほど紹介した記号がたくさん使われています。中央第二復興住宅は津波・洪水・内水氾濫・土砂災害の際に一時的に避難できることを表しています。津波の際には屋上まで避難が必要です。
階段が2箇所とエレベーターが1基あります。避難の時、エレベーターは危険なので階段を使うようにしましょう。
羽黒山公園
石巻駅から徒歩で約10分。立町商店街沿いのヴォーグ美容室のある交差点を南側(駅とは反対側)に進んでいきます。すると 200段以上ある石段の階段が見えてきます 。その階段を登りきると羽黒山公園に到着です。
羽黒山公園は津波や高潮の際の一時避難場所として推奨されていますが、 土砂災害には対応していないため注意が必要です 。
石巻小学校
まちなかにある小学校です。アイトピア通りや中央一大通りの電柱には小学校までの距離が示されているので、確認しながら向かうことができます。
標識からは石巻小学校が津波・高潮、洪水・内水氾濫時に緊急避難場所となることがわかります。また、避難所サインもあるので災害後一定期間、滞在が可能です。
石巻小学校は東日本大震災に0.6メートルの津波が来ました。そのため、 津波・高潮の時には2階以上の避難が推奨されています 。津波・高潮が来るまで時間に余裕がある時は、さらに高い日和山公園に逃げましょう。また、羽黒山公園と同じく 土砂災害には対応していないため注意が必要です 。
日和山公園
門脇や南浜、まちなかも一望することができ、観光名所としても知られている日和山。日和山公園は東日本大震災の時も多くの人が避難し、津波から逃れた場所です。
まちなかから日和山公園へ向かうルートは“長く緩やかな坂ルート”と“短く急な坂ルート”の2通りあります。その時の状況によってルートを選択できますが、津波や高潮の際は助け合いながらできるだけ早く高い場所へ逃げるようにしましょう。
“長く緩やかな坂ルート”は中央一大通りを左折すると見える激坂を登ります。坂は一本道になっているので迷わずひたすら登りましょう。坂が緩やかになったらそこが日和山公園です。
最後のおさらいクイズ!
避難図サインはわかってもらえたでしょうか?ここで、復習するためにクイズを出題します!
この標識は、北上川沿いに建てられた中央第三復興住宅に設置されたものです。さて、この標識にはどんな内容が記載されているでしょうか?○か×で考えてみてください。
Q1.津波のときは建物の屋上へ避難できます。
Q2.洪水が起きた場合の緊急避難場所に指定されている。
Q3.内水氾濫には対応していない。
答えは記事の最後をご覧ください!
おわりに
災害はいつ、どこで起こるかわかりません。ましては不慣れな土地では、どこに避難したら良いかわからないかもしれません。石巻市では東日本大震災のような大きな被害が二度とないよう、たくさんの整備が行われました。避難に関する知識を少しでも持って頂き、安心安全に石巻を楽しんでくださいね。
クイズの答え
Q1.○
津波避難ビルに指定されており、災害種別避難標識の「津波」に○が記載されています。また、赤字で「屋上に避難してください」という記載がされているため、屋上まで避難が可能です。
Q2.○
緊急避難場所に指定されており、サインの下部に「洪水/内水氾濫の緊急避難場所です」という記載があります。災害種別避難標識の「洪水」にも○が記載されています。サインの下部に赤字で「屋上に避難してください」という記載がされているため、屋上まで避難することが推奨されています。
Q3.×
災害種別避難標識の「内水氾濫」に○が記載されています。ですので、内水氾濫が起きた時も避難することが可能です。